No.a4fha206

作成 1998.1

 

黒いハザールと白いハザール

 

 

●主要なアラブ史料の一つを残した、アラブの地理学者イスタフリは次のように書いている。

「ハザール人はトルコ人には似ていない。彼らの髪は黒く、2つの人種がある。1つはカラ・ハザール(黒いハザール)と呼ばれ、色は浅黒くというよりまるでインド人のように黒い。もう1つは白い人種(サル・ハザール)で、大変にハンサムである」


●旧ソ連アカデミー考古学研究所スラブ・ロシア考古学部門部長のプリェートニェヴァ博士は、これに関して次のように述べている。

「ハザール人は、黒いハザールと白いハザールに分かたれる、とイスタフリは記している。その差は、外貌だけのことと、かく記す彼は思っていたようである。黒いハザールは、色黒で醜い。白いハザールは美貌をもって秀でると。しかし、トルコ系民族では、このような分け方は、まず、2つの階層の区別を示す、ということを我々は知っている。黒いハザールとは、従属民、納税階層である。白いハザールとは、自由民である。世襲ないし官僚貴族であった」

「イスタフリは、両者の容貌上の違いを述べるが、それもあながち誇張だったとはいえない、ということも考えられよう。貧乏人は、来る日も来る日も朝から晩まで、農具を手に畑や、家畜群を追って馬上にいた。日焼けし黒くなる。彼らにはトルコ系の容貌上の特色がよりはっきりとでてくる。それは、アラブ人には美しいとは見えない。

それに対し、支配階級のものは、代々、自らが属する種族の最も美しい女性を選んで妻にした。また、捕虜としてとらえたスラブ、アルバニア、グルジア、アルメニアなどなどの女性の中から選び出すことも稀ではなかった。かくして、人種に特徴的な相貌は失なわれていった。この階級に属する人たちは、色黒い人達を背景にして立つと、洗練された美貌によって、ひときわ目立って見えたに違いない」

 

 

 


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