No.a1f1403

作成 1996.12

 

次々と明るみに出された

パレスチナ人に対する拷問の実態

 

●ナチスの迫害にあった人々の国家が、こともあろうに他の人々を拷問するなどとは信じなかった国際社会も、アムネスティ・インターナショナルや国際赤十字が多くの証拠資料を提出するに及んで、信じるほかなくなった。


●パレスチナの政治犯、特にイスラエルによって無期限に行政拘留されている者について、国際赤十字の報告(1968年12月5日)はこう述べている。

「我々が訪れたときは1人の看視人もいなかったが、1つの獄房に81人の囚人たちが押し込まれていた。囚人たちは皆、トイレや洗面所を使うときでさえ、獄房を離れることを許してもらえないと申し立てた。彼らは床からたった15センチのところにある獄房の蛇口を使わねばならなかった。」


●1970年4月12日付のアムネスティ・インターナショナルの報告『イスラエルの拷問法』は、イスラエルがパレスチナ人囚人に対して行っている拷問法を暴露した。

そこには、「後ろ手に手錠をかけられた囚人に警察犬を放つ。警察犬は囚人を地面に倒すように訓練されている」「ペンチで指の爪をはがす。コショウ液を注射する」「ある種の化学物質(恐らく神経刺激物)を固く握り締めた囚人の手の中にさし入れ、電気ショック反応を起こさせる」などなどといった衝撃的な記述があった。


●1977年6月19日付のロンドン『サンデー・タイムス』は、4ページにわたって、パレスチナ人に対するイスラエル当局の虐待や拷問に関する詳しいレポートを載せた。取材に当たったポール・エディとピーター・ギルソンは、西岸地区でイスラエル治安警察に逮捕され、自供させるために拷問を受けた44人のパレスチナ人たちにインタビューをした。そのうちの22名は、まだイスラエル占領下に住んでいるにもかかわらず、自分たちの名前を公表してよいと同意した。残りは名を伏せることを望んだ。

同紙は「これらの拷問は極めて組織的に行われているので、単にひと握りのはね上がり者がやっているのだと見逃すことはできず、治安当局の全てが関与している」と述べた。6つの主要な結論は次のようなものである。


【1】イスラエルの治安・諜報機関は、拘留中のパレスチナ人たちを虐待している。

【2】虐待のいくつかは単に原始的なもので、例えば長時間にわたる殴打。しかし、もっと洗練されたやり方も使われている。電気ショックによる拷問、特別に作られた独房に閉じ込める方法など。

【3】拷問は4つの主な占領都市、西岸地区のナブルス、ラムレー、ヘブロン及び南のガザにある刑務所、ロシア人居留構内として知られるエルサレムのキャンプ及びサラファンドの巨大な軍事施設内の計6つのセンターで行われている。

【4】「シン・ベト」などイスラエルの治安機関すべてが関与している。

【5】拷問は整然と組織化されている。それはあるレベルの意図的な政策として許可されているように思われる。

【6】拷問は3つの目的に利用されているように見える。第一は情報を引き出すためである。第二はイスラエルの「安全」を損ねたという自白を引き出すためである。自白は法廷での証拠として扱われる。第三は占領地区のパレスチナ人たちに対して、おとなしくしていれば痛い目にあわないで済むと教えるためである。


●1977年9月、「スイス人権連盟」はイスラエルによるパレスチナ人の権利侵害の代表的な例を確認し、次のように報告した。

「西岸地区のイスラエルによる占領は、人権に関する国際宣言条項を繰り返し侵害する事態を招いている。例えば、無数の勝手気ままな逮捕、長期拘禁及び国外追放(宣言第3条違反)。強制定住、国境を越えることに対する厳しい制限と帰還の禁止(宣言第13条違反)。勝手気ままな土地収用、建物の建造と取り壊しの禁止(宣言第17条違反)。一般的かつ組織的な拷問の実践(宣言第5条違反)。西岸地区におけるユダヤ人とパレスチナ人の間の、目にあまる不平等(宣言第2節第2条違反)など。」

 

 


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