1.創世記 (全50章)
天地創造から始まって、アダムとイブ、カインとアベル、大洪水とノア、バベルの塔などの話のあと、アブラハム、イサク、ヤコブたちの話が続き、最後にヤコブ(別名イスラエル)の子ヨセフがエジプトに売られていったことから、イスラエル一家がエジプトに移り住むようになる話で終わる。続く「出エジプト記」の序曲となる。
2.出エジプト記 (全40章)
エジプトの奴隷階級に落とされたイスラエル12支族の中に、モーセが生まれる話に始まって、モーセの召命、エジプトからの民族脱出の夜までの10の天災、脱出後の奇跡、シナイへの旅、シナイ山で神との契約(旧約)の成立、幕屋の作り方、金の子牛事件で十戒を授かり直すあたりまでの話。
3.レビ記 (全27章)
「出エジプト記」の最後の部分で記された祭祀規定を膨らませたもので、祭祀職を受け持ったレビ族が執り行う儀礼、供物や祭祀全般に関する神より与えられた律法を集めている。具体的に項目は、「供物規定」「祭司の規定」「食物規定に関わるけがれたもの・清きものに関する規定」「贖罪日規定」などである。
4.民数記 (全36章)
「出エジプト記」の続編ともいうべき書。題名と関係ある人口調査のことや、荒野の宿営のことが長々と書いてあるほかに、イスラエル12支族が不信仰と不従順のため、荒野を40年さすらうことになった様子が書いてある。
5.申命記 (全34章)
“申命”とは、神から律法を再び命じられるという意味だが、モーセが約束の大地カナンを目の前にして、エジプト脱出以来の出来事を振り返り、イスラエル12支族に律法の精神をもう一度、順々と教えさとしている本。
6.ヨシュア記 (全24章)
モーセの後継者ヨシュアがイスラエル12支族を率いて、エリコの町をはじめ、カナンの全土を占領し、それを12の領地に分割した話を記している本。
7.士師記 (全21章)
「士師」すなわちデボラやバラクやエフタやサムソンといった英雄が、統一前のイスラエルで裁きを行い、あるいは民族解放の戦いのリーダーを務めていた頃の話が記してある本。
8.ルツ記 (全4章)
モアブの女ルツ(ダビデの曾祖母)が、どうしてダビデ家の祖先と結婚したのかを物語っている。
9. サムエル記 第1 (全31章)
10.サムエル記 第2 (全20章)
羊飼いダビデが、預言者サムエルによってサウル王に代わる全イスラエルの王とされていったいきさつ(第1)と、ダビデが統一王として即位後に、どんな過ちを犯し、その結果ダビデ王家にどんな問題が生じたか(第2)を、かなり詳しく描いている本。
11.列王記 第1 (全22章)
12.列王記 第2 (全25章)
ダビデ王の子ソロモンと、統一王国分裂後の南北王国の代々の王たちが、どんなふうにふるまったかを、それぞれの王国の滅亡の時期まで追跡している本。
13.歴代誌 第1 (全29章)
14.歴代誌 第2 (全36章)
古代ヘブライ史。上巻はアダムからダビデに至る系譜とダビデ王朝の物語。下巻はソロモン王朝から南ユダ王国の滅亡までを記している。「旧約」編纂後に正典に加えられた本。
15.エズラ記 (全10章)
バビロン捕囚後の時代を伝える。バビロンからの帰還、ソロモン神殿の再建が記されている。
16.ネヘミヤ記 (全13章)
「エズラ記」とともにバビロン捕囚後の時代を伝える。ペルシア帝国の官吏としてエルサレムを訪れたネヘミヤによる“回想”の体裁をとり、神殿の再建と律法による共同体の再生を高らかに謳う。
17.エステル記 (全10章)
アケメネス朝ペルシア帝国の王妃となったエステルが同胞のイスラエル2支族の危機を救ったという一種の歴史小説。プリム祭の起源の話。
18.ヨブ記 (全42章)
様々な災難が降りかかってきて、ヨブの信仰心が試された話。
19.詩篇 (全150章)
BC10世紀からBC2世紀頃までの約8000年の間に歌われてきた神への賛美の詩・祈りの文言から150を厳選したもので、賛美・感謝・嘆きの3種類に分類される。
20.箴言 (全31章)
ヘブライ版ことわざ集。神と人のあり方や人生の目的、生きるための指針を集めている。
21.伝道の書 (全12章)
成立はBC250年頃で、その内容には当時のギリシア哲学やエジプト思想などの影響がある。人間の業、生と死、神と人の関係を模索している。
22.雅歌 (全8章)
愛のかけあい歌の本。今日、結婚式において歌われる。
23.イザヤ書 (全66章)
イザヤは紀元前8世紀の預言者で、当時の社会、宗教、政治を鋭く糾弾、批判する神の代弁者。この書にはイザヤに仮託する第二、第三の匿名の預言者の言行も記されている。本書の主題は、古代イスラエル王国の滅亡と回復、メシアの再臨。
24.エレミヤ書 (全52章)
預言者エレミヤの波瀾万丈の生涯や内面の苦闘を詳しく伝えている本。
25.哀歌 (全5章)
エルサレムの陥落と神殿破壊を嘆く民衆歌。
26.エゼキエル書 (全48章)
バビロン捕囚中に活躍した預言者エゼキエルの本。彼は本書において、神への真の信仰に立ち戻ることを繰り返し説いている。
27.ダニエル書 (全12章)
バビロン捕囚中に活躍した預言者ダニエルの本。
28.ホセア書 (全14章)
北イスラエル王国で活躍した「愛と真実」の預言者ホセアの本。
29.ヨエル書 (全3章)
南ユダ王国で活躍した預言者ヨエルの本。ペンテコステでおなじみの聖霊の預言が、天災に際しての断食と悔い改めへの呼びかけの後で語られている。
30.アモス書 (全9章)
北イスラエル王国で活躍した「正義と公道」の預言者アモスの本。
31.オバデヤ書
章のない、旧約中一番小さい本。
32.ヨナ書 (全4章)
イスラエル10支族のニネベ捕囚中に活躍した預言者ヨナの書。
33.ミカ書 (全7章)
南ユダ王国で活躍した「公平と慈しみ」の預言者ミカの本。
34.ナホム書 (全3章)
35.ハバクク書 (全3章)
36.ゼパニヤ書 (全3章)
3人ともアッシリア帝国の滅亡を訴えた預言者。
37.ハガイ書 (全2章)
38.ゼカリヤ書 (全14章)
2人ともエルサレムの復興を訴えた預言者。
39.マラキ書 (全4章)
預言者マラキが、将来「メシアの日」が来るとき、エリヤのような預言者が現れるだろうという預言をしている本。