No.a4fhb613

作成 1998.1

 

『ユダイカ百科事典』における
「ハザール王国」に関する記述

 

 

●『ユダイカ百科事典』という面白い本がある。これはユダヤ人の学者たちが編纂する、今日ではユダヤ文化・宗教・歴史・人名・地名・政治に関する最も権威ある百科事典とされているものであるが、この百科事典には「イスラエル版」と「外国版」があって、「イスラエル版」はイスラエル国内でないと読むことができない。

そして興味深いことに「イスラエル版」のほうでは、ハザール人の起源とヨーロッパのユダヤ人の接点について以下のように記述し、東欧のユダヤ人が中欧(ドイツ)のライン地方から移住したという通説を否定している。

「……中世の東ヨーロッパにおけるユダヤ人の存在およびユダヤ思想には、大きな影響力があった。東方から中央ヨーロッパに向かっての移住集団が、“ハザール”と呼ばれていた事実から、彼ら東欧のユダヤ人の起源がハザール王国にあった可能性を無視することはできない。」


●また、同じ『ユダイカ百科事典』によれば、15世紀末にスペインから追放されたスファラディ系ユダヤ人(スファラディム)が17世紀に減少したのに対し、“シュテトル”と呼ばれる独特の村落を形成した東欧のアシュケナジー系ユダヤ人(アシュケナジーム)の人口は増加しているという。

さらに12世紀の中央ヨーロッパで、ハザールと呼ばれる移住集団に関する記録が消滅すると、その後まもなくアシュケナジー系ユダヤ人の歴史が始まっているのだという。しかも、12世紀において、アシュケナジー系ユダヤ人が全ユダヤ人の6〜7%にしか過ぎなかったにもかかわらず、現在は全ユダヤ人のうちの90%以上を占めているという。

 

 

 


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