No.a3fhb117

作成 1997.2

 

日本に興味を示すユダヤ人たち
<2>

 

 

●ここ最近の情報の発達や日本企業の進出などで、イスラエル本国にいる人達にも日本に対する関心が高まりつつある。

湾岸戦争以降、アメリカの対イスラエル戦略は急変した。そのため、アメリカに経済的に依存し続けることに困難を感じ始めたイスラエル国民は、アメリカの肩代わりを日本に期待し始めているのである。

彼らは日本をモデルにした技術立国を目指し、日本に凄まじいまでの熱い視線を送り始めているのである。

 


イスラエルの国旗

 

●イスラエル政府の通産省高官は「イスラエルと日本がパートナーとなれば、きっと補充しあえる」と述べている。

京セラ資本でエルサレム郊外に設立されたAVXイスラエル社の工場長は「今、イスラエルと日本は“約束された未来”に向けて、ようやく出発点に立ったのだと考えている」と述べている。


●イスラエル国民の日本への関心は、なにも経済面に限ったものでない。現在、イスラエル各地では日本ブームが起こっており、ヘブライ大学日本科は数倍もの競争率になって、超人気学科に変身したという。

日本への親しみに大きな影響があったのは自動車で、ここ数年、日本車は売れに売れて、イスラエル共和国における日本車の占有率は50%を超えたという。

イスラエルには兵役義務が2〜3年あるのだが、兵役義務終了後、長期間の海外旅行に出かける若者は多い。その中でも特に日本は人気があり、東京の路上でアクセサリーなどを売っている外国人の8割はこうしたイスラエルの兵役終了者だといわれている。


●現在、イスラエルでは専門家たちが様々な方面から、10支族の資料を集め続けている。

ユダヤ人の同胞愛は執念に近いものがある。たとえ一人であっても放っておくわけにはいかない。必ず救い出す。これが彼らの鉄則であり、長い流浪生活の中で身につけた人生的信条である。

イスラエル在住のある日本人は次のように述べている。

「ユダヤ人と一緒に暮らしていると、多くのユダヤ人が10支族問題に関心を持っており、10支族がもうすぐ出現すると噂している。そして私が日本人であり、私自身も10支族問題を研究していることを知ると、ユダヤ人たちは、10支族はどうやら極東の地日本に行ったらしいと言う」

このように、日本人には、にわかに信じられない事柄だと思うが、現在、イスラエル共和国に住んでいるユダヤ人の多くは、失われたイスラエル10支族の本命に“日本人”を挙げ、日本に対して熱い眼差しを向けているのである。(もちろん、否定的な見解を持つユダヤ人もいる)。



●一般に日本人とユダヤ人(もちろんオリエンタル・ユダヤ人であって白人系ユダヤ人ではない)の祖先が同じであるという説は「日ユ同祖論」として知られているが、

その他にも様々なバリエーションがあって、イギリス人とユダヤ人が同じ祖先だったとする「英ユ同祖論」、韓国人とユダヤ人が同じ祖先だったとする「韓ユ同祖論」などなども存在していることも、見逃せない。

古代日本とイスラエル民族のつながりは、これまで神道やキリスト教の一部の関係者によって好んで取り上げられ、戦前はユダヤ人問題をめぐる「親ユダヤ主義者」と「反ユダヤ主義者」の激しい論争のテーマともなった。

また、当時の論争は、日ユ同祖論者の間に日本とユダヤのいずれがヘブライの正系であるかをめぐって2つの流れを生み出し、今日なお決着のつかない天皇家の謎の出自と複雑に絡み合い、史学論争の表には表れない諸説が展開されることになった。


●ところで、最初に「日ユ同祖論」を唱えたのは、スコットランド出身のノーマン・マックレオドだった。

彼は1876年に横浜で『日本古代史の縮図』という本を刊行し、日本人とユダヤ人がともにヘブライ民族の子孫であり、日本の天皇家は今から2700年前に滅び去った「北イスラエル・南ユダ連合王国の正統な王位継承者」であるとの見解を発表したのである。

この先駆的な「日ユ同祖論」は1901年度版の『ユダヤ大百科事典』(ニューヨーク)に取り上げられ、それまで2000年間みずからの祖国を持たなかった世界各地のユダヤ人に大きな感銘を与えたと伝えられている。

また、その後に発行された『ユニバーサル・ユダヤ百科事典』には、マックレオドの『日本古代史の縮図』からの引用文が掲載され続けているとのこと。


●ちなみに、現在でも刊行されている『ユダヤ大百科事典』の「失われたイスラエル10支族」に関する項目は、全て日本人とユダヤ人との関係についての記述で満たされているそうだ。

私は、それらの記述の内容がどのくらい正確なものであり、学術的に耐えられるものなのかどうかは知らないが、彼らの10支族探索は単なるロマンではなく、具体的な作業に入っており、多くの学者たちも一般の人達も興味を持って進めていることだけは確かである。

特に、彼らは専属の10支族調査機関を設立し、各国において厳密な民族調査を実施し、風俗習慣や言語、性格などの細かい点にまで、関心を払って失われた10支族の謎を解き明かそうとしている。


●1993年9月号の『エルサレム・ポストマガジン』では、失われた10支族帰還問題が特集されたが、特集の中で紹介された「10支族調査機関アミシャーブ」のラビ・アビハイルは、誌上では明言を避けたものの、彼の本命は日本人であるという。

 


「10支族調査機関アミシャーブ」の
ラビ・アビハイル

 

●また最近、イスラエルで発行された観光ポスターの中に「COME AND DIG ISRAEL」というタイトルと一緒に、なぜか菊の紋章がはめ込まれた「古代エルサレムの遺物」が掲載されていた。

まさに菊の紋章である。そしてポスター全体が、日本に対する呼びかけのように感じ取れるが、どういう意図で発行されたのだろうか……。

 

 
↑1994年にイスラエルで発行された観光ポスター

このポスターには、なぜか菊の紋章がはめ込まれた
「古代エルサレムの遺物」が掲載されていた。
(右はその拡大写真である)。

 

●また注目すべきことに、現在、ヘブライ大学における有名な教授であるベン・アミー・シロニー博士と、イスラエル政府教育省の大学責任者シャハン博士は、雑誌『歴史Eye』の取材に対して

「日本人以外、10支族は決して考えられません」と答えている。

 


ヘブライ大学の
ベン・アミー・シロニー博士

大の親日家で、日本に関する本を多数出している。
ヘブライ大学で、毎年500人を超える学生たちに
日本の歴史と文化を講義している。

 

●このように、日本ではまだ知名度の高くない「日ユ同祖論」は、日本よりも海外(ユダヤ人)の方で盛んに研究されていると言えよう。

(※追記: 最近は日本でも「日ユ同祖論」は有名になってきたようだ)。

 

 

 


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